一般社団法人 日本ドローン防犯防災支援ネットワーク

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【初動力】を高める防犯防災とドローン運用

〜いざという時に機能するために平時から整えるべき「3つの現場標準」〜

一般社団法人 日本ドローン防犯防災支援ネットワーク(JDPN)は犯罪・災害発生時にドローン等を活用した支援活動を行い、地域の防犯・防災に貢献することを活動の根幹としています。
私たちが新年の最初に強くお伝えしたいのは災害や犯罪の発生そのものを完全に防ぐことは難しくても、被害を抑え、救える命を増やすための「初動力」は、平時の備えで大きく変えられるということです。 JDPNも平時からの備え・体制づくり・啓発を重視し、必要な支援が必要な場所へ届くための基盤整備を進めています。
2026年はドローン活用において「技術」だけでなく、法令順守と運用の標準化が一段と重要になる年です。特に国土交通省の審査要領改正により、許可・承認申請における“省略運用”の考え方が大きく見直されました。 本記事では一般の方にも分かりやすく、自治体・官公庁の実務にも耐える形で、JDPNが提案する「3つの現場標準」を整理します。

「災害×犯罪×情報不足」が初動を遅らせる
災害対応でも防犯でも初動を遅らせる最大の要因は「情報不足」です。
・どこが危険で、どのルートが通れるのか
・何が起きていて、どこに人員を振り向けるべきか
・住民、関係者に、何をどう伝えるべきか
ドローンは上空からの俯瞰・赤外線等による探索・状況の共有によって、意思決定を速くする手段になり得ます。 JDPNはこうした支援活動に加え、公共機関との相互協力、地域貢献、防災訓練・防犯教室、人材育成、技術革新と安全対策までを活動の柱として掲げています。

私たちは「一般社団法人」として何を目指す組織か
JDPNは2024年4月1日に設立された一般社団法人です。 目的として犯罪や災害発生時にドローン等を活用した支援活動を行い防犯・防災へ貢献することを掲げ、あわせて非営利型活動法人の要件を踏まえた運営の徹底を志向しています。
また自治体との協定を公表しており、協定をゴールではなく「実際に動ける状態を平時から整えるスタートライン」と位置付けて、訓練・手順・連絡系統の精度を上げ続ける方針を示しています。
さらに全国規模のネットワーク構築を通じて地域社会の安全と発展に貢献すること、地域ごとの拠点・パートナーシップ・会員募集によって横連携を深めることを明記しています。

法令順守を「運用手順に落とし込む」
国土交通省はカテゴリーⅡ飛行に関する許可・承認の審査要領を改正し、申請手続の一部省略が可能だった「ホームページ掲載無人航空機」や「ホームページ掲載講習団体等が行う技能認証」に係る運用を廃止しました。この改正は、現場目線で言えば次のような変化を意味します。
・これまでの“省略”に頼る運用設計は通用しにくくなる
・「なぜ安全と言えるのか」を、組織として説明できる状態が必要
・申請書類の整合、機体情報、運航管理、記録の重要性が増す
<登録/リモートID/DIPS2.0は“入口の必須条件”>
100g以上の無人航空機は登録が必要で登録記号の表示やリモートID機能の搭載が前提です。 許可・承認や技能証明の手続も、DIPS2.0を中心に進みます。
<国家資格は「取得」より「更新と運用」>
技能証明(国家資格)は有効期限3年で、更新講習の修了と身体適性など所定要件を満たして更新する必要があります。
(JDPN提案)自治体・企業は“資格”と同時に運用台帳を整備
・操縦者、補助者、運航管理者の役割定義
・飛行計画、日常点検、バッテリー管理、ログ保存
・申請・許可書類の管理(更新・変更を含む)
・訓練計画(年○回など)と評価指標(初動時間、共有速度など)

「情報管理(プライバシー・セキュリティ)」を最初に設計する
防犯/防災における映像・位置情報は価値が高い一方で、取り扱いを誤ると信頼を失い、活動が継続できなくなります。 個人情報保護の観点ではカメラ画像で特定の個人を識別できる場合、利用目的の特定や目的の範囲内での利用などが求められます。 またカメラ画像等が個人データに該当する場合、漏えい等を防ぐための安全管理措置(組織的・人的・物理的・技術的など)を講じる必要があります。
(JDPN提案)最低限そろえる「情報管理の4点セット」
1)利用目的の明確化(災害対応/捜索支援/訓練/啓発 等)
2)共有範囲の定義(誰に、いつまで、どの形式で)
3)保存期間と保管方法(暗号化、アクセス権、持ち出しルール)
4)公開時の配慮(ぼかし、位置情報の扱い、二次利用の禁止)

「協定・訓練・連絡系統」をワンセットで整える
JDPNは公共機関との相互協力を活動の柱に置き自治体・警察署・消防署等との連携強化によって、より効果的な防犯・防災活動を目指すことを明記しています。 協定は重要ですが、それだけでは初動は速くなりません。実務で効くのは訓練で回した回数と、連絡系統が“迷わず動ける”状態です。
(JDPN提案)自治体・地域で整えるべき“初動の型”
連  絡:誰が誰に要請し、誰が出動判断するか
収集項目:何を撮るか(被害、寸断、孤立、危険箇所 等)
共有方法:誰が閲覧し、誰が住民向けに要約して発信するか
代替手段:通信断や悪天候時のバックアップ
事後処理:ログ、報告書、改善点の反映

2026年「JDPNが強化したい取り組み」
JDPNは犯罪・災害時の支援だけでなく、防犯教室や防災訓練などの普及啓発、人材育成、技術革新と安全対策を活動として掲げています。 また民間ネットワークとして「初動力」を支えること、全国的な支援を目指す一方で継続・拡張のための基盤づくり(支援・協賛のお願いを含む)も重要である旨を発信しています。
(次の様な連携のご相談を歓迎しております)
・自治体官公庁向けに協定締結後の訓練設計、手順整備、情報管理ルール策定
・地域団体・学校に向けた防犯教室・防災訓練の企画と実施、啓発コンテンツの共同制作
・企業に向けたBCP視点での情報収集体制づくり、災害協力の枠組み検討
・会員・有識者に向けた地域拠点づくり、技術・運用・教育の支援参加

よくある質問(FAQ)
Q1.ドローンがあれば災害対応はすぐに良くなりますか?
A1.機材だけでは改善しません。 協定・訓練・連絡系統・情報管理が揃って初めて「初動力」になります。
Q2.2025年12月の制度改正で、何が一番変わりましたか?
A2.許可・承認申請で一部省略を可能としていた運用が廃止され、申請・運用の根拠をより明確に整える必要が高まりました。
Q3.防犯目的の撮影で気を付けることは?
A3.個人を識別できる画像を取得する場合、利用目的の特定、目的内利用、安全管理措置など、個人情報保護の観点が重要です。

〜新しい年を「備えのアップデート」から始める〜
災害も犯罪も発生をゼロにするのは容易ではありません。 ですが平時の備えをアップデートし、初動の型を作り連携を回しておくことで、被害を抑える確率は確実に上がります。
JDPNはドローンという手段を地域の安心・安全という目的につなげるために、2026年も一歩ずつ着実に取り組んで参ります。