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2025.11.6
【クマ対策に“絶対解”はありません】むやみに近づかず「上から確かめる」を大切に
クマによる被害に遭われた方・ご家族・関係者の皆さまへ心からお見舞い申し上げます。
本記事は地域の安全づくりに向けた「一つの考え方」を共有するものであり、唯一の正解や断定的な方法を示すものではありません。 地域の事情、季節、地形、人の動きによって最適解は変わるものであり、どうか必要に応じて自治体・警察・消防・猟友会・学校などの関係機関とご相談ください。
なぜ「見に行く前に上から確かめる」のか
・クマに遭遇しないことが第一です。 藪や法面、河川敷などは視界が悪く、不用意な接近が事故に繋がる事があります。
・上から(ドローン等による短時間の見回り)で安全を確かめれば、地上の人が危険へ踏み込む可能性を下げられます。
・重要なのは高価な機材ではなく「誰が・いつ・どう動くか」を事前に決め、住民にも分かる形で伝えることです。
これらは“万能策”ではありません。 危険をゼロにはできませんがむやみに近づかないための「考え方」を共有するものです。
まず整えたい「最低限の約束ごと」
1)通報の流れを1枚に
「どこへ連絡→誰が判断→次に何をする」をA4一枚の表にまとめ、全関係者で共有します。
2)危ない時間と場所の共有
朝夕・学区周辺・河川敷・緑地など「地域の“要注意ポイント”を地図で見える化」。
3)上から短時間で確認してから地上対応
いきなり藪へ入らず、限定された時間・範囲・高度で上空から状況確認。
4)住民へのわかりやすいお知らせ
目的・時間帯・範囲・記録の扱い(保存期間・見られる人)を事前と事後できちんと説明。
5)追い込みを避ける撤収基準
長く追わない、危険区域へ追い込まない等のやめどきを決めておきます。
すぐ使えるチェックリスト
□通報先・担当・折り返し番号を全員同じ表で持つ
□朝夕の注意喚起を学校・自治会・高齢者会にも共有
□通学路・散歩コース・農作業ルートの要注意場所を地図に記入
□地上で近づく前に上空から短時間で安全確認(範囲・高度・時間を限定)
□記録は必要最小限、保存期間と閲覧権限を決め住民に周知
□撤収基準(追いかけすぎない、誘導しない)を明文化
□年2回の練習日を先にカレンダーへ(学区・猟友会と調整)
※上空確認を行わない判断も含め「やらない勇気」を選べる様にしておくことも大切です。
「JDPNの支援」
・手順づくり:通報→上空確認→地上対応→お知らせ→撤収までを、迷わない短い手順へ。
・練習(訓練):朝夕を想定した半日練習。 体力・天候・人員に無理のない範囲で確認。
・お知らせ一式:掲示・回覧・学校配布・SNSで使える短文テンプレ。
・機材の考え方:特定メーカーに依存せず、入手しやすく、必要最小限の構成を提案。
・見直し(年1回):ルール順守・住民説明の分かりやすさを点検し、過度な負担を避ける方向で改善。
※現場運用は連携している事業者や有識者とも連携をし、地域の活性化に資する形で進めます。 被害情報の取り扱いは、二次被害(誹謗・詮索)を生まない配慮を徹底します。
大切なお願い
・本記事は唯一の正解を示すものではありません。 地域差、季節差が大きいため判断に迷う場合は関係機関と協議してください。
・報道やSNSでの情報共有は被害者・関係者の心情に配慮し、具体的な場所や個人が特定される表現を避けてください。
・子ども、高齢者、ペットの安全行動は地域の実情に合わせて丁寧に繰り返し周知してください。
クマ対策は焦らず、むやみに近づかず、地域で合意できる控えめなやり方を積み上げることが近道です。
日本ドローン防犯防災支援ネットワークでは中立の立場から「まずは上から確かめる」という一手と、無理のない手順づくり・練習・見直しをお手伝い致します。
お問い合わせ
https://jdpn.or.jp/contact/